Freebird Radio Blog 200705

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一発屋にもなれなかったスーパーグループ: The Sky Kings

一発屋にもなれなかったスーパーグループ: The Sky Kings

skykings.jpg


From Out Of The Blue

アルバムジャケットも出来上がってて後は1997年にリリースするだけの状態だったのにアルバムリリースすらされなかったバンドにThe Sky Kingsというのがいます。Sky Kingsのお蔵入りになったレコーディングはRhino Handmadeから未発表曲(というかシングルカットになった6曲以外はすべて未発表なんですが、当初アルバムに収められていた以外の曲)含めて24曲収録で2000年にリリースされています。

素晴らしいカントリー・ロックのアルバムに仕上がってて、どうしてこんなにいいアルバムが陽の目を見ることなく倉庫に眠ってしまったのか不思議でなりません。


このRhino盤のライナーノーツにいろんないきさつが詳しく書いてあるのですがBill Lloydの文章がそのまま彼のサイトに掲載してあります。ライナーノーツは字が小さくて目がチカチカするので流してしか読んでなかったんですが、じっくり読んでみるとなかなか興味深い話が書いてあります。
http://www.billlloydmusic.com/skykings.html


最終的なメンバーは
John Cowan (New Grass Revival)
Bill Lloyd (Foster and Lloyd)
Rusty Young (Poco)


このバンドの結成のいきさつはBill Lloydが同じRCAレーベルのVince Gill(元Pure Prairie League)の紹介でアルバム製作に参加していたRusty Youngと知り合います。
「Nashville方面な事やりたいね」と意気投合しその結果Pocoの再結成アルバムLegacyのRough Edgesという曲はYoung /Foster/ Lloyd三人の作となります。


その後もRustyとBillは連絡を取り合いカントリー・ロックの「元○○」を集めてバンドやろうという構想が上がり、最初にコンタクトしたのは「元Byrds」のGene Clark。
彼のマネージャーに電話番号を教えてもらいかけたが留守で留守電にメッセージも入れたが返事ももらえないまま帰らぬ人になってしまった。


次にBillとも長い親交のあったJohn CowanがちょうどNew Grass Revivalが解散したばかりで参加。


「元Poco/Eagles」のRandy Meisner。
ナッシュビルまで来ていろいろと具体的な話も進み乗り気のようだったが一度LAに帰ると突然気が変わったのか辞退する事を電話してきた。


そこへRustyから「Doobie Brothersが休止状態みたいだよ。それにPat Simmonsはナッシュビルに目が行ってるようだ。」
DoobiesのマネージャーであるBruce Cohnも連れてきて参加が決定。


その4人で92年あたりから曲を書き始め多くのレコーディングも進んでいったが、RCA-Nashvilleのプロデューサー始め多くのスタッフがクビになった。新しい体制の中、最後まで完了させる事をRCAは認め、出来上がったがRCAのい評価は
「ナッシュビルにはポップ過ぎる。NYにはカントリー過ぎる」
この結果、RCAでの録音はお蔵入りになってしまう。


それでもあきらめずに今度は、Warner Bros.-Nashvilleにアプローチして契約。
WarnerはRCAの時の録音を取り上げようとはせずに、さらにこれだけのメンバーなのに「一人のリードシンガーにしろ」と求めてきた。 Pop/Rockの世界だとそれぞれが持ち込んだ歌をそれぞれがリードシンガーになって歌うのが定石だが、カントリーの世界ではバンドであってもリードシンガーは一人なのが定石だそうだ。これってAmerican FlyerやFuller/Kazの場合と似てますね。


最初のバンドのコンセプトとは違ってきたが、Warnerの方針を受け入れ、John Cowanをリードシンガーにして他の三人は歌うのは一人一曲程度という事にした。


93年になるとDoobiesが再始動し、この4人はDoobiesのオープニング・アクトとしてツアーした。それもPatとJohnは両方のバンドの二足のわらじ状態。
それでバンド名をFour Wheel Drive(4WD)にした。


しかしここでまた問題。
Four Wheel Driveというバンド名はすでに他のバンドで登録されており、クレームが入りバンド名を変更をすることに。


そこでいろいろ候補に挙がった結果Sky Kingsに落ち着く。
今度は問題ないか弁護士とかに入念なチェック。(笑)


Doobiesの活動がまた活発になるとPatが集中したいとのことで脱退を表明。


Warnerは96年にアルバムリリースする見込みと告げる。
アルバムのリリースを待つ間、再び三人とバックミュージシャンで主にカントリーのラジオ局にプロモーションツアー。
まずはPicture Perfectをシングルカットし、プロモビデオも製作。Warnerはアルバムリリースのタイミングを見計らっていたのでしょうか?


しかしアルバムも無いアーティストにラジオ局のプログラマーは興味を示さずオンエアーされなかった。続いてThat Just About Says It Allをシングルカットしたがビデオもなく、プロモーションも一切無く見事に不発。


Warnerは第三弾としてElvin BishopのFool Around And Fell In Loveのカバーをシングルカットしたがもうその頃にはSky Kingsは完全にレーダーから姿を消していた。Warnerはアルバムリリースのタイミングを逃してしまい、RCAに続いてWarnerでもお蔵入りになってしまったわけです。失意のままこのバンドは97年に解散。


カントリー界って、ラジオ局がすべての鍵を握ってるんですね。例えDJが好んでもプログラマーがGoしないとかからないし、プログラマーがGoしないものはレコード会社も乗り気にならない。なんだか演歌の世界のようですね。ロックやポップの世界でそれなりの実績を築いてきた人たちであれ、なかなか厳しいんですね。


この悲劇のストーリー読んでApple〜Warnerを歩んだBadfingerを思い出しました。Badfingerはたくさんのアルバム出せただけよかったけど、そのバンド以外の実績が無いからBadfingerで頑張るしかなく天国と地獄を味わい、耐え切れず自殺。


Sky Kingsはアルバム1枚もリリースしてもらえなかったけど、「元○○」という帰る場所があったし、長い経験でショービジネスの甘い辛いも数々経験しているという違いがあったからでしょうね。幸い自殺などは無く、元バンドで頑張ってます。


何だかこういう話ってすごく辛いですね。必死で作ったプロモテープなど持って行っても聞きもしないでゴミ箱にポイってプロデューサーなども多いだろうし、いくら作品作ってもろくなプロモートしてもらえなかったり、世に出れなかった、出たけど忘れ去られた、気づいてもらうことも出来なかったとか素晴らしいアーティストって世界中に五万といるんでしょうね。
このアルバムのブックレットには当初のアルバムジャケットの型とかも写真が載っており、ほんとに完成してリリースを待つだけだった事がわかります。


Rustyってほんとに素晴らしい才能持ってるけど、いつも厳しい位置付けにしかなれませんね。PocoとEaglesのビジネスとしてのこの成功の違いはなんなんでしょう? 音楽的には絶対Pocoの方が勝ってると思うけど、シングルヒットの数の差とRock ClassicsでもあるHotel Calのメガトン級のドカン!一発の差なんでしょうか。


To be a musician, it's not an easy life to live.



これを書いてるとたった今、とんでもないメールが来ました。
当事RCAで働いてた人からです。RCAの倉庫に眠ったままのアルバムを持ってるので興味があるなら、コピーを送るよとのことです。マニアの間では持ってる人も多いのかもですが、驚きました。ほんとに届けばPatやRustyのボーカルの曲も聴けますね。


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テーマ:Classic Rock! - ジャンル:音楽

  1. 2007/05/14(月) 04:07:51|
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